掲載日:2024年11月22日
コインランドリービジネスとは?
コインランドリービジネスとは、空いている土地やテナントにコインランドリー店舗を建てて、洗濯機や乾燥機などの機器を設置し、それらを利用してもらうことで収益を得るビジネスです。
コインランドリー店舗は基本的にセルフサービスになっており、人員を配置することなく収益を得ることができるため、人気の無人ビジネスとなっています。
コインランドリービジネスは何をする?
では、コインランドリービジネスとは、具体的に何をするのでしょうか。
コインランドリー開業の流れと、開業後の運営方法に分けて解説していきます!
コインランドリー開業の流れ
コインランドリービジネスにおいて開業前にすることはおおまかに下記4点です。
①コインランドリー出店相談
②市場調査と立地選定
コインランドリー店舗をどこで開業するか決めましょう。ターゲットとなるエリアの市場調査を行い、競合やニーズを確認します。
コインランドリー経営を成功させるには「立地」が重要です。お持ちの土地で開業したいという方でも、しっかり市場調査し、採算の取れる場所に出店するようにしましょう。
どのような場所を「立地がいい」というのでしょうか。立地についてまとめたコラムを参考にご覧ください。
③収支計画・店舗企画設計
出店場所が決まれば、収支計画や店舗企画設計を進めましょう。コインランドリー店舗の大きさや設置するランドリー機器の種類、運営方法などを具体的に決めた事業計画書を作成します。
また、コインランドリー店舗のコンセプトを決めたり、店舗デザインを考案したりもします。市場調査からコインランドリー利用者を想定して、ニーズのあるサービスを考え、喜ばれるデザインの店舗づくりを心掛けましょう。
④施工・開店準備
店舗デザインが決まれば、施工に入ります。
また、コインランドリーのオープンをお知らせするため、近隣住民への宣伝も欠かせません。現在は、SNSやGoogleマップを活用したオンライン施策、新聞折り込みチラシやポスティングなどのオフライン施策など様々な宣伝方法があります。予算やコインランドリーの利用者層に合わせて戦略を練りましょう。
コインランドリー運営方法
コインランドリービジネスにおいて開業後にすることは様々ですが、今回は下記3点をご紹介します。
ランドリー機器のメンテナンス
洗濯機や乾燥機は定期的にメンテナンスをする必要があります。ランドリー機器の故障がないかを確認し、必要に応じて専門業者に依頼して修理や清掃を行います。
定期的な清掃・集金
コインランドリー店舗を清潔な環境を保つことは顧客の満足度に直結します。定期的に店内の清掃やゴミの処理を行いましょう。
また、現金を取り扱う場合は、売上金(現金)の回収は必要になります。清掃・集金ともに外部委託することが可能です。
集客とマーケティング
コインランドリーの集客とマーケティングは、競合との差別化を図り、地域のニーズに合ったアプローチを取ることが重要です。
集客については、まずは、コインランドリー店舗の認知度を上げましょう。様々な宣伝方法があるので、詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
コインランドリーオープン後も、定期的な市場確認は怠らないようにしましょう。
ある日突然、近隣に競合店ができていたりすることもあります。実際に近隣店舗を利用したり、利用者の声を聞いてみることで、サービスの質を向上させることも重要です。
コインランドリービジネスの初期費用は?
コインランドリーの初期費用は、店舗の大きさやコインランドリー機器の種類・台数、立地によって大きく変わります。おおよその初期費用としては、以下の通りです。
小規模店舗 1,500万円~2,000万円前後
中規模店舗 2,500万円~3,000万円前後
大規模店舗 3,500万円~4,000万円前後
※建築費は含みません
Point!開業資金はいくら?
上記の金額はあくまで目安となります。コインランドリー開業資金は、店舗の大きさや機器台数によって大きく変わります。皆さまの予算に合わせた店舗をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください!
Point!初期費用はいくら?
コインランドリービジネス 初期費用のモデルケース
ここからは、コインランドリービズネスの初期費用について、具体的な金額でご紹介します!
モデルケース10坪プラン(小規模店舗)
〇コインランドリー機器一式 約1100万円
洗濯乾燥機・乾燥機・渦巻型洗濯機・スニーカー専用機などのコインランドリー機器一式を7年リース契約した場合の想定金額です。それぞれの内訳は以下の通りです。
〇店舗工事 約500万円
〇備品・消耗品 約30万円
〇コインランドリー開業の宣伝ツール 約10万円
モデルケース20坪プラン(中規模店舗)
〇コインランドリー機器一式 約2200万円
洗濯乾燥機・乾燥機・渦巻型洗濯機・スニーカー専用機などのコインランドリー機器一式を7年リース契約した場合の想定金額です。それぞれの内訳は以下の通りです。
〇店舗工事 約700万円
〇備品・消耗品 約40万円
〇コインランドリー開業の宣伝ツール 約10万円
コインランドリービジネスの失敗例とその対策
コインランドリービジネスの内容をご紹介しました。
ここからは、コインランドリービジネスの失敗しないポイントやメリット・デメリットについて解説していきます!
1. 機器構成のバランスが悪い
失敗例:高性能な洗濯乾燥機を多く導入したものの、実際には乾燥機だけが稼働していたり、大型機をメインに揃えたのに、よく使われるのは小型機ばかりというケースがあります。利用者ニーズと合わない構成は、稼働率の低下につながります。
対策:開業エリアの客層(単身者かファミリーか)、気候(乾燥需要の高さ)、近隣の競合店舗の設備などを調査し、需要に合った台数・機器構成を選定しましょう。
2. 立地選びのミス
失敗例:「所有地だから」という理由で出店したが、周囲に人通りが少なく売上が上がらず撤退に追い込まれたという例は少なくありません。
対策:立地はコインランドリー経営の成否を決める最大のポイント。住宅地や商業施設の近く、視認性の高い道路沿い、十分な駐車スペースがあるなど、集客が見込める条件を満たす場所を選ぶことが大切です。開業前の市場調査は必須です。
3. 「無人=放置」でトラブル発生
失敗例:無人運営に甘えて清掃やメンテナンスを怠った結果、店内が不衛生になったり、機器トラブルへの対応が遅れ、リピーターが離れてしまったというケースがあります。
対策:清掃・問い合わせ対応などは外部委託も可能です。手間は軽減できますが、完全に任せきりにせず、オーナー様もご自身で定期的に店舗チェックをしましょう!利用者目線での改善が、顧客満足につながります。
4. 運転資金の確保不足
失敗例:開業費用だけを準備し、オープン後の運転資金が足りず、1〜2年で廃業に追い込まれた事例もあります。
対策:売上が安定するまでの期間を4~5年と想定し、その期間に必要な運営資金をどのように用意するのか、開業前に考えておきましょう!
とはいえ、コインランドリー経営はランニングコストが比較的少ないことも特長のひとつです。
コインランドリービジネスのランニングコストなどについては、下記コラムで詳しく紹介しています。参考にご覧ください!
5. 初めての経営で大型店舗を出店
失敗例:30坪以上の大型店舗を開業し、敷地内いっぱいに高価な機器を導入。初期投資が膨らみ、想定よりも集客できずに赤字経営になってしまったというケースもあります。
対策:初心者は無理に大型店を狙わず、小〜中規模から始めてノウハウを蓄積しましょう。大型店舗を作る場合は、すべてに機器を詰め込まず、空いたスペースに「洗濯物たたみ台」「子どもスペース」「他の無人サービス(自販機・無人販売など)」を併設し、集客力と顧客満足を高める工夫を検討してみてください。
コインランドリービジネスのメリット
時間や労力の自由度が高い定番無人ビジネス
コインランドリーは、無人で運営できるため、オーナーやスタッフが店舗に常駐する必要がないビジネスモデルになっています。
無人ビジネスには、以下のようなメリットがあります。
時間や労力の自由度が高い
自身が店舗に立つ必要がないため、コインランドリービジネスをしていても、他のビジネスやプライベートな時間を自由に使うことができます。
人件費の削減
接客が必要な業態(飲食業・サービス業)は人件費の割合が高くなりますが、コインランドリービジネスでは、この人件費を大幅にカットすることができます。
労働力に依存しない運営
スタッフ採用・教育に関する問題に手を取られることがない労働力に依存しない安定した運営が可能です。スタッフの欠勤や退職による運営リスクも回避できます。
人件費不要!ランニングコストが少ない
コインランドリービジネスの主なランニングコストとしては、水道光熱費や洗剤などの消耗品費、設備のメンテナンス費などになります。コインランドリー店舗の大きさにもよりますが、ランニングコストは売上の約30%です。
一般的な店舗ビジネスのランニングコストは、売上の60~80%になる場合もあるので、コインランドリービジネスは、比較的低コストで運営することができると言えます。
安定的な需要と売上が見込める
コインランドリービジネスは安定した顧客層を持ち、持続的な売上が期待できるため多くのオーナーに支持されています。安定的な需要があるのは、洗濯は日常的に必要な作業であり、季節や景気に大きく左右されないためです。
近年、一人暮らしの世帯や共働き世帯の増加により、家庭での洗濯時間を節約したいというニーズが高まっています。また、マンションやアパートには乾燥機がない物件も多く、コインランドリーを利用する習慣が定着していることも安定的な需要が見込めるひとつの要因でしょう。
コインランドリービジネスのデメリット
初期費用が高い
コインランドリービジネスを始める際、ハードルになるのが初期費用です。先ほどご紹介しましたが、コインランドリービジネスの初期費用としては、1,500~4,000万円ほどになります(店舗の大きさにより大きく異なります)。特に、コインランドリー機器(洗濯機・乾燥機など)や店舗工事にかかる費用が高額となっています。
よくある失敗例として、いきなり大型店舗を構え、敷地内いっぱいにランドリー機器を導入したため、初期費用が高くなり採算が取れなかったケースが挙げられます。適切なスペース・機器台数で開業すれば、初期費用は回収できるので、市場調査は怠らないようにしましょう。